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執筆者の写真Gustavo Dore

BREAK THE WHEEL

残念ながらこの本の日本語版はまだありません。しかしながら、僕はこのインパクトの強い本のアイディアをみんなにシェアしたいと思います。

この本のメイントピックを一つにまとめると、仕事している時に「別の企業がみんなやっているからという考え方はやめましょう!自分の商品、自分のお客さん、自分のリソースを確認してから独自な戦略を作ってください!」ということです。

日本だからというわけではないですが、日本人は、“みんなやっているから私たちもやる”という場面が多く見られます。例えば、「あの大手企業がやっているから私たちもやりましょう」という会話を日本の企業で仕事していた時に毎日聞きました。なんで良いのか理由はわからないけどあの会社がやっているなら良いハズだと。一見安全な戦略として感じますが、実はとても危ない戦略なのです。

大手は有名だから名前での信頼で新商品が広がりやすい。採用の基準、利益率、組織、マネジメントの経験なども違く、小さい企業とは福利厚生や制度まで全て違います。僕はよくこれをやるべき、あれをやるべきと色々言うタイプですが、この本を読んでから直ぐに言うのではなく、一旦会社の状況を細かく聞いてからアドバイスするようにしました。

マーケティングの本にある事例を3つ出します。

1-「 グーグルアドで追加でリンク情報を入れると20%クリックレートが上がります」というようなことがグーグルアドのページに書いてありますが、実はこのデータはあなたの会社のために作られているデータではありません。グーグルが選んだ事例をベースに出しているので、Jay Acunsoさんのお客さんにのうち20%は変化がありませんでした。

2- Invisionと言うデザインツール会社でみんなと同じやり方でマーケティングを頑張っていました。競合も多く、成功事例やユーザー数をたくさん出しても、競合も同じことをやっていました。結果的に当時誰でも取っていなかったアプローチを取って成功し、スーパースペシアリス向けなコミュニティ(Design Disruptors)を立ち上げ、これに集中にしました。結果的に内部から人を連れてくることができ、違うブランドで同じ機能があっても、みんなInvisionのコミュニティに参加したくなりました。

3- 今の社会でマーケティングバジェットが少ないと焦っている人が多い中で、ある会社(CREW)があと3ヶ月でお金がなくなる状況でした。お客さんの獲得を全然できなくて、VCからお金ももらえそうにない。そこで社長が自分の会社のコーポレートサイトを作った時に余っていた写真を無料で配ろうと言うアイディアが上がりました。お金がない中で自分のお客さんに出来るだけ「価値」を提供しようとしました。Tumblrと言うサイトで写真を載せて、自由に利用してくださいと言うメッセージといろんなテックメディアにシンプルなプレスリリースを打ちました。Hacker Newsのメディアにフィーチャーされ、1日に50000のアクセスを獲得し、たくさんの問い合わせを取れました。

結論:自分の会社のポリシーを作っている時にみんながやっていることをやめましょう! みんなフレックスやっているから私たちも、みんなティール組織をやっているから私たちも、みんな式学をやっているから私たちも!と言うことをやめましょう。 自分のチーム、自分のお客さん、自分のリソースを見てからやることが大切です!

Jay AcunzoはもともとGoogleやHubspotのデジタルマーケティングのチームリーダーとして勤めていた方です。それで自分がお客さんにアド広告をオススメしていたポジションで、売れていた商品だと思っていたのに間違っていたことがありました。その違和感について考えていくことでBrake the Wheel という本が生まれました。

アマゾンリンク:https://www.amazon.co.jp/Break-Wheel-Question-Practices-Intuition-ebook/dp/B07HQF97J7

【執筆者プロフィール】

ドレ・グスタボ(ドリー) CEO (Chief Executive Officer)

新しい働き方を目指し、HRTECHベンチャーのワークスタイルテック株式会社取締役。元ソニーVAIOの商品企画において、グローバルなボリューム商品からハイクラスな商品までを担当し、リクルート(株)においては様々なインターネットサービスのUI/UXの設計を行う。慶應大学でデザイン思考の修士課程を卒業。VAIO時代からリクルート時代を含めて、イノベーションを目的としたプロジェクトリーダーとしての役割を果たす。

テクノロジーで個々に最適な働き方の選択肢を与える」世界を作りたい。

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