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「人的資本の情報開示」、その詳細について徹底解説!

こんにちは!皆さん、「人的資本の情報開示」について聞いたことはありますか?

金融庁は、2023年3月期の有価証券報告書から人的資本情報の開示を義務付けること段階的に適用すると述べています。

対象企業や開示内容、企業が行う準備などについて解説していきます。



背景

 人的資本への投資はその中核要素です。特に2020年8月米国では、米国証券取引委員会が人的資本開示を義務付ける項目を追加し、世界的に人的資本経営に対する重要性を認識するようになりました。このように人的資本は世界的に重要な投資情報となっています。ステークホルダー間の相互理解を深めるため、「人的資本の可視化」が不可欠です。人的資本への投資が生み出すイノベーションによって社会の課題を解決し、サステナビリティやESGへの積極的な取り組みを目指し、更なる成長を実現することができるでしょう。

 つまり、人的資本の情報開示の背景として、人的資本の価値向上、ステークホルダーの人的資本への関心、サステナビリティの重要度の高まりといった3つの要因を挙げられます。


出典:非財務情報可視化研究会「人的資本可視化指針 (案)」


人的資本開示の「19項目」とは?

人的資本開示19項目としては、「人材育成」「多様性」「健康・安全」「労働慣行」「エンゲージメント」「流動性」「コンプライアンス」といった7つの観点から分けられています。


1.人事育成

「リーダーシップ」「育成」「スキル/経験」

従業員・後継者の育成など人材を中長期的に維持するためのシステム整備についての情報も含まれています。


2.多様性

「ダイバーシティ」「非差別」「育児休業」

性別や人種ごとの従業員比率、産休・育休の取得率などに関する項目です。また、多様なアイデンティティを受け入れられる体制が整っているか否かも、提示する必要があります。

3.健康・安全

「精神的健康」「身体的健康」「安全」

従業員の欠勤率や、労働災害の発生率などを報告する項目です。従業員の心身の健康が十分に守られている企業か否かを評価することです。

4.労働慣行

「労働慣行」「児童労働/強制労働」「賃金の公正性」「福利厚生」「組合との関係」 給与総額の男女比や福利厚生の種類など、労働における公平性の評価を報告する項目です。


5.エンゲージメント

「従業員の満足度」 従業員の労働環境や働き方や仕事内容などに満足しているか否かを評価する項目です。


6.流動性

「採用」「維持」「サクセッション」 人材の確保・定着ができているのか、採用にかかるコスト、離職率を報告する項目です。


7.コンプライアンス

「法令遵守」

法律を守っていることや社会的な倫理観に基づいた企業活動ができているか評価する項目です。



国際的ガイドライン「ISO30414」

ISO30414とは、国際標準化機構(ISO)による国際的ガイドラインです。

その目的として、人材管理及び開発のために組織の指針、プロセス、慣行、そしてシステムを体系化を図ることを挙げられます。

人的資本の分析・予測に対する株主・投資家など、ステークホルダーの要求が増加しており、そのため人的資本に関する多くのデータが収集および分析されています。

下記の表はISO30414の11領域と、各領域に該当する項目の一部です。


出典:経済産業省「事務局説明資料 (経営戦略と人材戦略)


このように、従業員のエンゲージメント向上施策を徹底的に取り組むことが求められています。



情報開示に向けた企業の取り組み

人的資本のデータ

現在、会社内で人的資本情報のうち、何をどのような形式で公開していることを明確に認知しましょう。組織全体の人的資本のデータを作成し、リアルタイムで該当情報の変化を記録および管理する必要があります。ステークホルダーの要請に応じて人的資本情報を素早く提供できるように、該当データを収集・蓄積することが求められます。さらに、従来のデータと比較することで、改善を進めていく取り組みも必要でしょう。


データの数値化

自分が属している企業内に独特で重要な無形のビジネス価値、すなわち革新、多様性、文化のような項目をどのような指標を通じて数値化し診断しているのか、そしてこれを改善するためにどのような努力をしているのかを理解する必要があります。


目標設定と経営見直し

人的資本を最適化するために何をすべきか、また人的資本と関わる目標を達成するためにどのような施策を進めていくべきなのかを認知する必要があります。このような目標をもとに、現状と理想のギャップを的確に認知し、経営見直しましょう。




企業の勤務環境と賃金公平性、安定な雇用など、人的資本の情報開示により企業の透明性はさらに高まることが予測されていることから、企業の人的資源公開が急がれるという要求が強まっていることがわかります。

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