経営視点から考えるデジタルトランスフォーメーション(DX) ~SaaSによる企業の競争力向上とは~
9月25日に開催された日経Smart Work/日経産業新聞フォーラムにモティファイ代表のドリーが登壇し、日本のデジタルトランスフォーメーションについて語りました。
みなさん、こんにちは!僕は世界30ヵ国くらい行ったことがありますが、日本に住むのが大好きです!しかし、残念ながら日本ではDXがまだまだ進んでいません。そんな現状を変えたいと思い、独立して会社を立ち上げました。
当社のチームは外国人と日本人が混ざっていて、世界の働き方改革の可能性を広げるという理念のもとで仕事をしています。
デジタル改革とか、DXというのは、単にデジタル化するという話ではありません。
デジタル化自体はもう10年、20年前の話です。ではなぜ、DXなのか。
DXは、デジタル化を通じて自分のビジネスを成功させること。デジタル化をするだけではなく、その次に何があるかという考え方です。しかし、世界では75%がすでにDXに取り組んでいる一方、日本では42%程度にとどまっているというのが現状です。
HRの世界では今、有期雇用、時短、パートタイムの従業員が増えています。フリーランスの数もものすごく増えていて、派遣社員の数や副業をする人の数も増加しています。
ですが一方で、会社のバックオフィスの人員はそんなに変わっていません。そのため、雇用契約の状況が複雑になるにつれて、社内での作業がすごく増えているのです。
ちなみに、日本の社労士の平均年齢を聞いたことがある人はいますか?64歳です。
この年代の人は固定概念が強く、「まだ紙の方が安心する」「なぜ変える必要が?」という人が多いです。これが大きな課題だと思っています。
例えば、A社の社長は「うちは業界が古いから向いていない」と言い、B社では人事部長が「上から何も言われない限りデジタル化はしない」などと言ったりしています。
一方で、デジタル改革が進んでいる会社もあります。当社の労務管理システムを採用してくれたお客様の話ですが、今まで入社手続きを行う際、情報を取得するのがすごく面倒くさかったそうです。そこで当社のシステムで入社手続きを行うようにしたところ、仕事がすごく減りました。それだけではなく、ある社員の方が「このシステム楽でいいよね!うちのお客さん先に紹介するから、代理店にしてくれないかな?」と。そこから新規事業部を立ち上げ、新しいビジネスが生まれる…という事例になりました。
もう一つの事例として、「シェア美容室」のビジネスがあります。彼らの業界は個人事業主との契約が多いので、社労士を毎月30時間くらい使っていたそうです。が、デジタル化した今、それが4時間くらいに減っているんです。そしてさらに、この契約情報のデータをCRMとして使い、営業リストとしても活用しています。
今、どんな会社でも労務管理に関して困っていることがあります。まず単純に言うと、個人情報を正確に入れるのが面倒くさい、ということ。また、社労士とやり取りを進めるのにも結構な手間がかかっています。
あと、ペーパーレス化が進んでいないという問題もあります。日本ではまだFAXでのやり取りを頼まれることがある。僕はFAXを頼まれたとき、正直「この会社とビジネスしたくない!」とすぐに思います(笑)。メールやチャットワークが一番いいんですけど。こういうところが日本にはまだ残っている。
さらに言えば、マーケティングや営業部門ではモバイルの様々なツールの活用が進んできていますが、バックオフィスではまだオフィス内のPCのみ使っている。テレワークをしたり、電車の空き時間でサッと業務の対応ができないのは微妙だな、と思います。
「じゃあ、DXやろう!このソフトを導入したい!」とアイディアを出しても、導入するまでの期間やコスト面を考えると面倒くさそう…という話が始まってしまうのが現状です。
本日、大事なメッセージとしてみなさんに一つお伝えしたいのは、SaaSのシステムなら手軽に始められるということです。プラットホーム全体を導入しなくても、プラグインやアドオンでスピーディーに試せるものがたくさんあります。その一つが当社のWelcomeHRです。
このWelcomeHRを作ったのは、今年の4月にインターンの学生と社員が5人入社したのがきっかけでした。内定を出した後、社長業が忙しくて手続きを2・3か月後回しにしていたら、向こうから「ドリー、契約書面はいつ来るの?」と連絡が来たんです。そこで社労士に電話をしたところ、それだけで1時間くらいかかってしまいました。今まで会った社労士はみんな話が長くて細かい(笑)!
電車の通勤時間など空いている時間にもこういった作業できるように「じゃあ、これ作ろう!」と思い立ったのが始まりです。
今まで、入社の手続きには書類まわりの手作業に費やす無駄な時間が多かったです。金額の話をすると、社労士一人当たりで2万円から3万円くらいかかります。
こうした作業は通常1時間くらい要してしまうのですが、デジタル化したことで一回目なら10分、二回目以降は5分程度に短縮できました。
現在ほとんどの会社は、採用管理や求人媒体からのデータを一回アナログにして、このデータをすべて捨ててしまっているような状況ですが、これらのデータをそのまま社内システムに引き継ぐための仕組みを私たちはつくっています。
このWelcomeHRに、入社管理や入社手続きに関するどんな機能が入っているかというと、たとえば雇用状況や各種データの確認、内定メールの送信、デジタルサインでの契約書締結といったことが挙げられます。ブロックチェーンを使ったデジタルサインも開発中です。また、個人情報の収集やマイナンバーの入力については、わざわざ書類を送らなくても、携帯で撮った写真を撮ってもらうだけで済みます。そこから色々なシステムに連携するようにしています。
手軽に速く始められるというのもポイントです。会社全体の労務管理システムを変更しなくても、今使っているシステムとの連携が必要なのであれば、ご依頼いただければ当社で個別に開発をすることも可能です。
また、それぞれの雇用状況に応じた収集すべき情報のテンプレートを用意していますし、運用サポートも行っています。手間のかかる社労士とのやり取りも、情報をアップデートするたびにレポートが送られるようにしました。さらにデジタルサインでペーパーレス化することができ、今まで使っていた契約書類の雛形をシステムに取り込むこともできる。
デジタル化によって、時間は必ず短縮します。その浮いた時間を本業のビジネスに使ったり、データ自体を新しいビジネスに使ったりすることもできるでしょう。
ちなみに、社労士の方々は当社システムについてどう思っているのかといいますと、最初はネガティブな印象を持つ方もいましたが、色々話を聞いてみると、実は細かな作業に時間を取られて困っていた…という声も多く、もっとクリエイティブな、アドバイザー的な仕事にシフトしていきたいという方にはとても喜ばれています。
2020年より、契約もすべてオンラインでOKと法律が変わるので、今年から、もう明日からでも、デジタル化を進めていくとよいでしょう。
とにかく手軽に、早く始められるのがWelcomeHRの強みです。みなさんの会社のバックオフィスをスピーディーに動かしたいというご相談があれば、いつでも当社にお問い合わせください。本日はありがとうございました!
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