Teamwork Illustration
経営者自らがいかに足を動かすかで業績が左右する、だからとにかく自分の生産性を上げる。スタートアップ時代の成長への取り組みはこうでした。しかし、いまではたくさんの社員ひとりひとり日々の行動が、業績の鍵を握っている。会社が成長、拡大していくにつれ、経営者の課題は自らのパフォーマンスから「社員のパフォーマンス」へとシフトしていきます。
コンサルタントによる課題解決から社員ひとりひとりによる組織改善へ
こうした課題に対し、最近では、コンサルタントに依頼をするよりもまずは自分たちで「社内アンケート」を行い、普段一緒に働いているだけでは気づけていない社員の現状をしっかりと調査するという取り組みが増えてきています。
その理由は、自社で調査を行い、回答結果を社内へフィードバックすることで社員自身が現状を自覚し、組織の改善に向けてひとりひとりが考え行動していくことにあります。組織の問題解決をコンサルタントに依頼する場合、担当者とごくわずかな経営陣のみが課題を認識し、その後社員へ現状と改善の方針を説明し、そのための協力を呼びかけ・・・と、大きな時間とコストを要してしまいます。
また、最近ではCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)経営、コンプライアンス、個人情報保護といったことが注目され、社員の働きがい向上のためにいかに取り組みを行っているかということが会社評価のひとつの指標となったことも社内アンケートを行う会社が増えた要因のひとつとして挙げられます。
「社内アンケート」を始める時に重要な3つのこと
それなら、うちの会社でも社内アンケートをとって、まずは現状をみてみよう!
そう思い立てば、調査を支援するツールはオンライン上でもたくさん見つけられます。しかし、ただ質問票を作って配るだけでは本当に知りたいことが知れず、調査結果が改善行動に繋がらないことも多々あります。もう一度やり直しとなると、「また同じようなアンケートか」と社員のモチベーションが下がり、回答率が下がってしまったり本音を答えてくれなくなったりします。社内アンケートを作成する際には、予め戦略をたてることがとても大切なのです。
では、1回のアンケートの効果を最大化するためにはどのようなことに気を付けたらいいのでしょうか。作成時に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
1.会社として実現したいテーマを中心に調査する
アンケートの質問項目を作る(或いはツールを使う)際には、自社において特に大切にしている文化や価値観について確認をしましょう。例えば、「イノベーティブな発想を生み出す文化」を大切にしたいのか、「会社がどの社員にとっても安心できる居場所」であることを重視したいのか、あるいは両方なのか。こうしたテーマによって、社員に質問すべき項目が変わってきます。まずは会社で大切にしたい、伸ばしたいことについて書き出して(A、Bなどとカテゴリー分け)、それぞれについていくつかの質問(A-1、A-2…、B-1など)を用意し、テーマごとに現状が調べられるようにしましょう。
また、具体的な質問の文言は、会社と社員とが目指す関係性に大きく影響を与えます。例えば「~~を十分に得られていますか」と、得られているものについて質問をすると、会社は社員に何かを与える存在であるというメッセージとなり、一方「~~という行動をしていますか」と行動を問う質問をすれば、社員が会社をつくっていく立場であるというメッセージになります。どちらかに揃えることが重要なのではなく、会社としてどのような関係性を実現したいかということを念頭に、バランスを考えましょう。
2.結果は社内にフィードバックをする
社内アンケートを行っている会社の事例として非常に多くあるのが、回答結果を社員に公開せず経営陣や人事部門のみが握っているという例です。その結果、業務で忙しい合間を縫って回答に時間を費やした社員には、自分の回答がその後どのように会社の改善につながっているのかが見えないので不満がつのります。また、一部しか現状把握をできないという構造は、その他多くの社員が会社の在り方に対して「受け身」の体制になってしまう一番の原因となります。
社員ひとりひとりが考え、自発的に行動することを促すためには、アンケートの回答結果をなるべく早く、データをそのままにフィードバックをすることです。課題は経営陣が考えるのでなく、データをみて課題を考えるところから社員ひとりひとりに任せ、より小さなチーム単位で解決策を話し合うことで、実行への主体性やスピードが大きく変わります。
3.1回で終わらず、定期的に変化を観測する
アンケートの現状を踏まえて各部門やチームが改善の動きを始めたら、数か月後や半年後、1年後など、その後どのように変化が起きたかどうかを確認できるよう、調査は定期的に行いましょう。社内アンケートを行っても、その後組織にあまり変化がなかったり、改善行動が継続しない多くの原因は、調査が1回きりでおわってしまっていることです。
チームで始めた取り組みが成果に繋がっているかどうかを定期的に確認できれば、その後の戦略を話し合うPDCAのサイクルを早く回せます。最初のアンケートをとる際に、どれくらいの期間で定点観測をしていくかについても予め計画をし、その旨を全社員に通知するようにしましょう。そうすることで、「このアンケートは経営陣からの状況伺いではなく、社員自身が現状を定期的に把握し改善していくための取り組みである」というメッセージを明確に伝えることができます。
以上の3つのことを念頭に、社内アンケートを通じて組織が自発的に改善を続ける仕組みをつくっていきましょう。
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